君は,君は。


ん,んん?



「う,うん。そんな感じ」



かな?



「ありがとな。真剣に考えてくれて。でも俺諦めねぇよ? まだなんもしてないし」



なんか一瞬,ハッとした。

私は逃げてるだけなんじゃないかって。

ってそれはでも今はどうでもよくて…!



「うん。相手は教えられないけど,頑張ってね」



私は片手でグーを作った。



「ん。でもどうせあれだろ? 梨々香の好きな奴って」

「んん,どれ?」

「佑樹だろ」

「や,それは……さぁ?」



いや,言えるわけないし。

あってるけど。



「……めっちゃ目泳いでんよ。唯って嘘つけねぇのな」

「笑わないでよ。ってか違うし」
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