君は,君は。
「へえ? まぁ聞かなくても分かってたから唯は悪くないよ」
信じてないし。フォローまでいれられる始末。
梨々香,前は忘れてたし,重ねてごめん。
そんなことで許されるとは思ってないけど,誕生日プレゼント,ちょっと豪華にするね。
私は心のなかで手を合わせた。
「なんでそう思うの?」
あくまで認めない私。
梨々香のためとは言え自分でも往生際が悪すぎる。
「だって梨々香最近あいつの話ばっかだし。気づいてる奴は気づいてるよ」
だって,梨々香。
私はあははと苦笑した。
「もう3分経ったんじゃね?」
不意に瑞希が視線を落とす。
言われてみてぺりぺりと蓋を剥がすと,ほんの少しだけ麺が延びていた。