君は,君は。
「ふふっ。タイマーとかしとけば良かったね」

「ふっ確かに。取り敢えずこれ以上伸びる前に食うか。腹へってんだろ」

「もーそれはいいんだってば」



いつまでもからかわないでよ。

私がつんっと顔をそらしたとき,ガチャリと扉が開いた。



「深月」「深月くん」

「兄ちゃん。おれもラーメン食べたい」

「「え」」



深月くんに言われて,私たちは目を合わせる。



(カップ麺まだあったっけ?)

(や,これで最後)

(やっぱり)



2人の揃った苦笑いでアイコンタクトは終了。

仕方ないという顔をした瑞希は深月くんに声をかけた。

ちゃんとお兄ちゃんだ。

私はちょっと感動を覚えた。

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