君は,君は。

「深月のは無い。米炊いて握ってやるからちょっと待ってろ」

「やだ。おれも食べたい」

「はぁ? じゃあ後で買ってやるから」

「やだ」

「は? ふざけんなよお前。無いんだから諦めろって」



私はそのようすに,くすくすと笑う。

なるほど。
深月くんは皆で食べたいのか。



「深月くん。半分食べる? 一緒に食べよ。足りないかな」

「あ? やっ良いって…」

「食べる!!! あ,兄ちゃんおにぎりよろしく!!」

「はあ? どっちなんだよ。ってか客人の昼飯ねだるなよ」



弟のキラキラお目目に負けてしまうお兄ちゃん。

ぶつぶつと文句を言う瑞希に,私は大丈夫と返した。



「また腹なっても知らないからな」



だからそれはもういいんだってば!
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