君は,君は。
ぷんぷんしながら箸とお茶碗を貰った私。



「はい,深月くん」

「うん。ありがとー」



にこにこ。

小2の男の子ってこんなに可愛かったっけ。

私は声を殺して悶えた。



「食べ終わった! 唯あそぼっ」

「うん。いいよ?」



私が深月くんに返すと,瑞希があきれた声を出す。



「あのなぁ」

「あれ,だめだった? ちょっとだけ,ちょっと」



私は塩を摘まむような仕草をした。



「じゃなくて,深月だよ」

「うぇ!? おれ?」

「呼び捨てにすんなって。せめてちゃんにするかいっそお姉ちゃんくらいにしとけ」

「えー」

「いいよそれくらい」



ぶー垂れる深月くんのほっぺをつんつんして,ぽえ~と言う。



「いくよっ唯!」

「はいはい」
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