君は,君は。
「なぁ。唯ってなんでここまでしてくれんの?」

「な,なにが」



ドッドッって,心音がウサギの心臓みたいに小刻みになる。



「梨々香のこと,すげぇちゃんと考えてくれるし,今日も来てくれたし,深月は大事にしてくれるし」



瑞希はカリカリと合同条件の写しを再開した。

そして紙だけを見つめたまま続ける。



ーよく考えたら,俺色々して貰いすぎじゃね?



急にそんなこと言われても



「え,と」



好きだからとか,言えない。

私はそんなこと言われても,困るしか出来ない。

あ……

あるじゃん。
取って置きの言い訳。



「なっなんでもなにも,友達,なんでしょ? だからだよ」



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