君は,君は。
「あの日唯に会話聞かれるずっと前から,俺唯のこと好きだった。一緒に遊んだ日,唯を見てて気づいた」



…。

いまここに爆弾でも落ちたのだろうか。

それとも誰かドラ⚪もんのもしもボックスでも使った?

急な出来事を処理するための現実逃避が忙しい。



「俺思い出せば,梨々香といつもしてた話って,全部唯の話なんだよ。だから唯とあんまはなして無かったのに,しょっちゅう話してたような気になってた」



え,梨々香? なにしてんの?

お願いだから登場人物まで増やさないで。



「いっつも,見てた……ってキモい? 俺」

「ううん」



掠れた声で,私は呆然と呟くようにして首をふった。



「梨々香にも,怒られた」

「えっなんで」

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