君は,君は。
「俺が梨々香のこと好きだと思ってたけど唯が好きって言ったら……『はぁ!? いま気づいたわけ? ってかなんで私なの。意味分からんし!』って」



あははと笑う瑞希に,なんと返せば良いのか分からない。

好きだと思ってた人にそこまで言われるとか,あははで済ませて良いのかな。



「そんとき,唯にも梨々香のこと好きなんていってないよねって胸ぐら掴まれて,俺意味分からんかったけど,さっき分かった」



胸ぐら……梨々香が?

ってことは……え? 私の気持ちも知ってたの?

私の頭の中に,もちのろんなんて笑う梨々香が浮かんだ。



「ごめん,いっぱい。でももう一回だけ言わせて。唯,好きです」



だからって動く唇



「俺と,付き合って」
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