どうにもこうにも~恋人編~
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深海への潜水から海上に戻るように、深い眠りから意識が呼び戻される。
カーテンの隙間から漏れるのはほのかな月の明かりではなく眩しい朝日だった。
ぼーっとした頭で、自分のいる場所を把握しようとする。ここは自分の部屋ではないことはたしかで、ふかふかのベッドの上でやたらに温かい布団にくるまっている。
背中に感じる体温と、私の身体を抱き締める腕は、私の愛しい人のものだと認識して思わずにやけてしまう。彼に抱かれ、一緒に朝を迎えたのだ。
私を腕枕してくれている方の手に自分の手を絡ませた。軽くきゅっと握ると、まだ寝ぼけているようなその手もそっと握り返してくれた。
「起きてますか?」
「…まだ寝てるよ」
耳元で囁く朝の掠れた声にドキドキしてしまう。スウェット中に手を入れられ、私のお腹をまさぐり始める。くすぐったいなあと思っていると、徐々に手が上へ上がってきて乳房をやんわりと掴まれた。
「え、な…?」
「触りたいだけ」
夜の情欲を燃やすような手つきとは違って、私の乳房の形をたしかめるように、優しくゆっくりと撫でたり掴んだりしている。子どもがおもちゃを触るみたいなまったく色っぽさなど感じない手つきなのに、私はドキドキして目が冴えてしまう。
「ごめんごめん」
彼の手はスウェットの中からそろりと這い出て退散してしまった。もっと触ってほしい、なんて思ってしまうのは、欲深すぎるだろうか。
深海への潜水から海上に戻るように、深い眠りから意識が呼び戻される。
カーテンの隙間から漏れるのはほのかな月の明かりではなく眩しい朝日だった。
ぼーっとした頭で、自分のいる場所を把握しようとする。ここは自分の部屋ではないことはたしかで、ふかふかのベッドの上でやたらに温かい布団にくるまっている。
背中に感じる体温と、私の身体を抱き締める腕は、私の愛しい人のものだと認識して思わずにやけてしまう。彼に抱かれ、一緒に朝を迎えたのだ。
私を腕枕してくれている方の手に自分の手を絡ませた。軽くきゅっと握ると、まだ寝ぼけているようなその手もそっと握り返してくれた。
「起きてますか?」
「…まだ寝てるよ」
耳元で囁く朝の掠れた声にドキドキしてしまう。スウェット中に手を入れられ、私のお腹をまさぐり始める。くすぐったいなあと思っていると、徐々に手が上へ上がってきて乳房をやんわりと掴まれた。
「え、な…?」
「触りたいだけ」
夜の情欲を燃やすような手つきとは違って、私の乳房の形をたしかめるように、優しくゆっくりと撫でたり掴んだりしている。子どもがおもちゃを触るみたいなまったく色っぽさなど感じない手つきなのに、私はドキドキして目が冴えてしまう。
「ごめんごめん」
彼の手はスウェットの中からそろりと這い出て退散してしまった。もっと触ってほしい、なんて思ってしまうのは、欲深すぎるだろうか。