どうにもこうにも~恋人編~
「やけに積極的だね」

 泡でお互いの身体はよく見えないが、お互いに感じ合っていることは容易に分かる。アルコールも相まってか頭がふわふわして気持ちがいい。夢心地とでも言うのか。

「ベッド、行こうか」


 身体を拭くのもそこそこに、バスローブを羽織りキングサイズのふかふかのベッドに身体を横たえた。彼は私の身体に覆いかぶさり両手をついた。

私のまだ濡れている髪を梳き、キスを落とす。そんなわけはないのだが、キスをされたところが熱を帯びてくるように感じた。

私の目を真っすぐに見つめる彼の眼差しに、お風呂とアルコールで火照る身体がさらに熱くなるようだ。私の目を見つめたまま、彼は私のバスローブの紐をゆるゆると解いていく。

「俺の残りの人生、慧に捧げるつもりだよ」

 躊躇なく言い放つその言葉にドキリとさせられる。

それってプロポーズ?

ボーっとした頭でその言葉を反芻するが、じっくり考える間もなく、あとは彼の熱い愛撫を受け入れるしかなかった。

私たちは身体を重ね、時間をかけて深く愛し合ったのだった。
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