儚く甘い
当たり前のように昼休憩も屋上で一緒の二人。
コンビニで買ってきたおにぎりやパンを頬張る達哉の前で、みわは母の作ったお弁当を箸でつついていた。
全く食欲がないらしい。

また更に痩せたのは精神的に落ち込んでいるからか、それとも病気のせいなのか達哉にはわからない。

「こんなハードな生活。大丈夫なのか?」
達哉の言葉にみわはふっと微笑む。
「大丈夫。」
あまり心配されるのも嫌だろうと察した達哉はそれ以上きかない。

あまりにも気をつかえば、みわは自分の前でも本当の自分を出さなくなるだろうと簡単に予想がつく。

「でも、今日はしんどいかなー。」
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