儚く甘い
少しもたれかけていた胃にしみるさわやかな味に、みわは目をきらきらと輝かせる。
「おいしい」
達哉はあっという間にみわの残したラーメンも食べ終えて、デザートを嬉しそうに食べるみわを見つめた。

「おいしかったー。」
ラーメン店を出てから、みわが大きく伸びをする。
「なかなか友達とも出かけないの。私。」
「どうして?」
友達の多いみわが友達と遊びに出かけないのは意外だ。
「んー、私の病気を知ってる友達は私に遠慮ばっかりするし、私も気をつかうから、いないほうが楽しいかなって。」
誰にも言えないようなことを、達哉には言えるみわ。

「考えすぎだろ」
こつんとみわの頭をつつく達哉。

こんな反応だから、言えるのかもしれない。
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