儚く甘い
『ピピピッ…ピピピッ』
いつものアラーム音にみわはバックから薬を取り出す。
つい、自分のオレンジジュースで飲もうとすると、「ばか」と達哉が取り上げて水の入ったコップを渡した。

「ねぇ」
「ん?」
薬を飲み込んだみわは、達哉の方に身を乗り出すようにして近づく。
「手伝って?」
「は?」
「私がこのリストを書くの、手伝って」
「なんでだよ。お前のバケットリストだろ?」
「お願い!ね?」
「いやだ」
「・・・もたもたしてたら死んじゃうかもしれないじゃん」
うつむき急に元気がなくなるみわに、達哉は深くため息をつく。
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