儚く甘い
バイクに乗って走り去っていく達哉の後ろ姿を見ながら、みわは切なく微笑む。
「ばいばい」
家に帰ってからみわは買ってきた手帳に日記を書き始めた。
『生まれて初めてのデート。ずっと夢だった。普通の女の子みたいに、ほかの誰かとデートすること。でも、死んじゃうかもしれない私とデートすると、きっと相手の人の心に嫌な思い出として残っちゃうから、できなかった。付き合わせてごめんね。でも楽しかった。少しの間病気のこと忘れられた。普通の女の子になれた気がしたよ。ずっとこの時間が続いたらいいのにって思った。私になんてこれぽっちも興味がなさそうな達哉。だからこそお願いできたのかもしれない。でもね、私は達哉のこと、嫌いじゃないよ。だからこれ以上、思い出を増やさないように気をつけなきゃ。』
「ばいばい」
家に帰ってからみわは買ってきた手帳に日記を書き始めた。
『生まれて初めてのデート。ずっと夢だった。普通の女の子みたいに、ほかの誰かとデートすること。でも、死んじゃうかもしれない私とデートすると、きっと相手の人の心に嫌な思い出として残っちゃうから、できなかった。付き合わせてごめんね。でも楽しかった。少しの間病気のこと忘れられた。普通の女の子になれた気がしたよ。ずっとこの時間が続いたらいいのにって思った。私になんてこれぽっちも興味がなさそうな達哉。だからこそお願いできたのかもしれない。でもね、私は達哉のこと、嫌いじゃないよ。だからこれ以上、思い出を増やさないように気をつけなきゃ。』