儚く甘い
「みわ、母さんが朝ごはんできたって」
「ん・・・いらない・・・」
眠そうに開かない目で布団をかぶるみわ。
「だめだ。少しは食べないと。」
裕介は心を鬼にして、布団を引きはがす。

「鬼・・・」
「鬼で結構。」
裕介が無理やりみわを起こそうとすると、部屋に隆文が入ってきた。

「昨日点滴の日だったからな。体しんどいか?」
優しくみわの手をとり脈をはかる隆文。
「裕介がいじめる」
「お前、呼び捨てすんなよ。」
布団を引きはがしたままの裕介を隆文がふっと笑ってみる。
「少し遅いな。だるいか?めまいは?」
「大丈夫」
みわは心配かけないようにと無理やり目を開ける。
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