儚く甘い
『ピピピッピピピッ』
みわの携帯のアラーム音で、二人はやっと現実に戻った。

「あ・・・」
「ん?」
みわが漏らした声に、達哉がその声の意味を考える。
「あっ」
すぐに理解した達哉は、みわの周りを見回した。

「リュックは?」
「・・・」
達哉の言葉にみわは、まだぼーっとしている頭を必死に働かせる。

「・・・」
「食堂か?講堂か?」
「食堂の外のベンチかも」

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