儚く甘い
『精神的なことは前から負担を考えてた。心療内科を受診できるように進めてみるよ。』
「でも、根本的なところは変わらないでしょ。」
『眠りやすくする薬を処方することはできるけど、ただでさえ服薬量が多いからな。これ以上増やしたくないのは正直なところだ。裕介とも相談してみる。』
隆文はよく、みわのことで裕介と連絡を取り合っている。
「あの子、大学を無事に卒業できるかって不安みたい。」
『そっか』
隆文は母と話をしながら、みわに来年の父の墓参りも一緒に行けると言った日のことを思い出していた。

まだあれから2週間も経っていない。

それなのに、みわの症状の進行が著しい。
食欲はさらに落ち、体重が見る見るうちに減っている。
体力も落ちていて、大学から早退してくる日も欠席する日も増えた。
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