儚く甘い
願っても願っても進行していく娘の病。

愛する夫が病に侵されていると知ってから、亡くなるまでもどうか奇跡が起きてほしいと願っていた。
それでも叶わなかった願い。

娘のことを願っても意味がないかもしれない。
届かないかもしれないと思いながらも願わずにいられない。

その時、母の携帯電話が鳴りだした。


その着信画面に嫌な予感がする。
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