儚く甘い
娘を迎えに行った母は娘の顔色の悪さに、慌てる。

「隆文にはまだ連絡してないのよ。連絡して病院に行きましょう。ちょうど点滴の日でしょ。」
「うん・・」
体調が悪くて母を呼び出してしまったことに、みわは罪悪感を感じていた。

「みわっ!」
その時後ろから名前を呼ばれてみわは振り返った。

みわの母は隆文に連絡をしようと、携帯電話を耳にあてながら、声の方をみわと同時に振り向く。

「平気か?」
慌ててみわの元へ駆け寄ってきたのは達哉だ。

講義中に倒れたことをうわさで聞いた達哉。
たまたま達哉はとっていない講義で、一緒にいなかったことを悔いながら、みわの姿を探していた。
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