儚く甘い
「うん。ごめんね、心配かけちゃったね。」
「けがは?」
母と同じように心配しながら、けががないかを確認している達哉。
みわと達哉を見ていた母は、電話に出た隆文にみわの状態を報告しながら、視線を離せずにいた。

「大丈夫。」
「これ着ろ。」
達哉は自分が着ている上着をみわに着せる。
ぶかぶかの達哉の上着。
慣れた手つきでみわに着せる達哉の姿に、何となく二人の関係の深さを悟るみわの母。
達哉に上着を着せられながらも、まだ足元がふらついているみわに気づいた達哉がみわの体を支える。

「初めまして」
電話を終えたみわの母が達哉に声をかける。
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