儚く甘い
「初めまして。」
達哉がみわの母に気づき、頭を下げる。
「同級生の宝条達哉です。」
ちゃんと母に頭を下げて挨拶をしてくれる達哉に、みわは少しくすぐったくなる。
「初めまして、みわの母です。いつも娘がお世話になってます。」
母も達哉にちゃんと挨拶をする。
「これから、病院ですか?」
達哉の冷静な言葉に、みわと母は現実に戻る。

「えぇ。この子の兄が今すぐ診察してくれるっていうから、連れて行きます。」
「そうですか。車までお手伝いさせてください。」
礼儀正しく、冷静にみわの状態をわかっている達哉に母は感心する。

「ありがとう」
達哉はみわをがっしりと支えながら、車まで連れて行ってくれた。
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