儚く甘い
「上着」
みわが車に乗り込んでから、借りている上着を脱ごうとすると、達哉は「今度でいいから、横になれ」とみわの乗り込んだ助手席の椅子を倒した。
そのままみわのシートベルトもしめる達哉。

「ありがとう。じゃあね。」
みわが達哉に手を振ってから、運転席に乗り込んだ母の方を見ると、母がにやりと微笑んでいた。

車を走らせはじめると、すぐにみわの母が興奮気味に話し始める。

「イケメンじゃない!やるわねーみわ。母さん誇らしいわー。彼氏!?」
一息に話す母に、みわは照れながら首を横に振り、寝たふりをする。

それでも母は話続けていた。
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