儚く甘い
そこにはベッドから落ちているみわがいた。
「どうしたどうした?」
裕介が慌ててみわの体を抱き起し、ベッドに戻す。

「携帯電話とろうとしたら・・・落ちちゃった。」
おどけるみわ。
その体はかなり熱い。
「お母さんが取るのに。」
母が1階へ水を取りに行こうと離れた瞬間に、ベッドのサイドボードに置かれた自分の携帯電話をとろうとして、みわはベッドから落ちたらしい。

「ほら。ちゃんと言えよ?隆文に怒られるぞ?」
「ごめん・・・」
裕介がみわに携帯電話を渡す。

「ありがとう・・・」
携帯電話を手にしたみわ、兄と母を交互に見つめる。
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