儚く甘い
「・・・ん?」
「あー・・・」
兄も母も察して、目をあわせる。

「お母さん夕飯の支度してこようかしら。」
「俺、トイレ行こうかな。」
気をつかった裕介と母は、少しの時間部屋を開けることにした。

部屋から出ていく時に、母も兄もにやにやと笑っていて、みわは恥ずかしくなる。

2人が部屋を出てから、携帯電話の着信を確認すると、たくさんの着信やメールが来ていた。

友達からの体調を心配するメールや、世間話のメールの中に、みわは一通のメールを見つける。

『具合は?』
たったそれだけの内容なのに、くすぐったくてうれしくなる。
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