儚く甘い
何度も薬を飲み忘れて危険な目に遭ってきているみわ。

母とまだ中学生と高校生だった兄たちは、夜中にもアラームが鳴るとみわがちゃんと薬を飲んだかを確認してくれていた。

今は薬を飲んだことを家族のグループラインに報告して、確認がなくても大丈夫なようにしているけれど、それぞれの場所にいてもみわの心配をしてくれているにはかわりない。

6歳年上の兄、裕介は製薬会社でみわの病気を完治させる薬を開発中。
8歳年上の兄、隆文は内科医としてみわの主治医となり薬の処方から週に一回の点滴の付き添いまでしてくれている。

母は兄たちが生活を支えてくれるまで、ほとんど眠る時間を削りパートやアルバイト、内職をして家計を女で一人で支えた。
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