儚く甘い
2人が付き合い始めてからまだ1か月も経っていない。

でも確実にみわの体は病気に蝕まれている。

5日に一度の点滴は3日に一度に増えた。

手や足に力が入らないことが増えて、転ぶことや何かを落としてしまうことも増えた。

いつもみわの膝には擦り傷があり、手の平も、傷がついているようになったのは、何かにつかまっていないと急に足から力が抜けて転んでしまうことが増えたからだ。

大学にいる間は、達哉が必ずみわと手をつなぎ、歩くのがぎこちない時は肩を支えながら歩いてくれる。

夏が過ぎれば、就職活動で登校する回数が減る。
でも、それまでに車いすになるか、大学の講義を受けられなくなるかもしれないとみわも思っていた。
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