儚く甘い
達哉は居酒屋でアルバイトをしている。
大学の講義に余裕がある日は、早朝の新聞配達のアルバイトもしていた。

講義が終わると二人はいつものようにお決まりの場所である屋上に向かう。

みわの母が作った弁当を大きな口で頬張る達哉にみわは嬉しそうに微笑む。

おいしそうに次々に食べ進める達哉。一方みわはなかなか食が進まない。

「ほら、これも食べろ。」
どんどんと痩せていくみわに、達哉は次々に食べ物を進める。
「うん・・」
今のみわには食べることも立派な治療の一環で、食べられなくなればどんどんと体が弱っていくことが分かっている達哉は、どうにかして食べてほしいとあれこれ食材を進める。
苦しそうなみわ。


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