儚く甘い
「じゃあ、デザートはなしだな」
「なに?」
どうにかして、なんでもいいから食べてほしいと思っている達哉はあれこれみわの好きなデザートを用意したり、お菓子を用意している。
「なになに?」
「今日は暑いから、デザートにアイス食べようと思ってたのに。」
その一言にみわは目の前にあった卵焼きを口に頬張る。
「よし、えらい」
子ども扱いする達哉に、パンパンに膨らんだ頬を更に膨らませるみわ。

「りすか、お前は。」
愛おしそうに微笑みながらみわの頭を撫でる達哉。

「こっち、日差しあたるから。」
達哉は少し熱くなっていたみわの頭に、自分の上着をかけると、ひょいっとみわの体を持ち上げて、日陰だった自分の方に場所を移動する。
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