儚く甘い
「ある!」

思わず大きな声で反応してしまったみわ。
自分の声とリアクションが恥ずかしくなり、急にシュンとなると、達哉がふっと笑いながらみわの髪を撫でる。

「俺だってみわのこともっと知りたくなってる。好きになるってこういうことなんだなってわかったんだ。どんどんみわのこと知りたくなる。みわの世界に入りたくなる。」
フォローするような達哉の言葉に、みわは照れながらも達哉をまっすぐに見つめる。

2人の距離をつめることを恐れていたみわ。
その想いが完全に消えたわけじゃない。

2人の思い出が増えるほど、達哉に刻んでしまう自分の記憶の幅が増える。

その分、自分が死んだときに開けてしまう穴が大きいことなど、痛いくらい若手いる。
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