儚く甘い
『大丈夫』という達哉の言葉に今はすがるしかない。

「私も」
みわが言葉の影に隠す想いなど、とっくにわかっている達哉。
その分、達哉は自分の想いも気持ちも考えも、まっすぐにみわに表現するようにしている。

「約束な」
達哉の口から”約束”という言葉が出ると、みわは責任を感じる。
誰との約束よりもその言葉の意味が重く感じる。

達哉が兄や兄の恋人とかわした約束に縛られて苦しんでいたことを知っているからこそ、なおさらだ。

「約束」
だからこそ、その約束に全力で答えようとするみわ。
その想いが病気と闘う力にもなっていた。
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