儚く甘い
あきらかに言うことを聞かなくなった体。
その体をコントロールしようとするだけで、かなりの体力を消耗する。

大きく深呼吸をしながら、達哉が戻るまでに少しでも体力を回復させようと目を閉じる。


まだ、大丈夫。

そう自分の体に言い聞かせながらも、こうして明日もまたこの場所に来られるだろうかといつだって不安だ。

薬の効かなくなった体。

いつか来るであろう”最期”がどのようなものなのか、いつだって頭の片隅で考えては恐怖に体が震える。
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