儚く甘い
隆文は何も言わず、そっと病室の扉をノックして、病室の扉を開けた。

そして、後ろに立っていた達哉に合図を送る。


まぶしいほど日が差し込んでいる病室。

その光の中に車いすに乗るみわがいる。

1年前よりも髪が長くなったみわ。

病室の窓があいていて、そこから風が入り、みわの髪をなびかせている。


「みわ」
隆文がみわを呼ぶとみわはゆっくりと車いすの向きを変える。
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