儚く甘い
がくんとみわの体から力が抜けて、体が崩れ落ちそうになった。

瞬間、男は咥え煙草のまま手を伸ばし、みわの体をつかみ上げる。

何が起きたのかわからないみわ。

気付けば乗り越えたはずの屋上の手すりから、元の場所に体が戻されている。


「なんかやったの?」
「・・・?」
「薬かなんか?」
男は体に力が入らないみわを、地面に足をついて支えてくれている。

「・・・」
「で?まだ死にたい?」
男の質問にみわは、少し考えてから首を横に振った。
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