あ〜あ、本当に知らねえからな。
すると恋雪はぱぁっと花が咲いたように微笑んだ。


「ありがとう!」


どくん


俺はこの瞬間に恋に落ちた。


いつまでも恋雪を笑顔にしたい。この笑顔をずっとそばで見たい。


俺と恋雪は幼稚園、小学校、中学校を共に過ごした。


放課後は一緒に公園に行って、親が留守のときは一緒にご飯も食べた。


でもお菓子作りでしょっちゅう失敗するし、何もない所で転ぶ。
それでもヘラヘラとお花のような笑顔を見せる恋雪が愛しい。


誰にでも優しく接して、頑張って励ましてくれる恋雪も好き。
ひたむきに一生懸命頑張る恋雪も好き。
間抜けな恋雪も好き。


いつもいつも恋雪と一緒にいられて、恋雪のお花のような笑顔を見られて、すごく幸せだった。


事件が起きたのは、小学校高学年くらいのとき。


俺はその頃から周りの女子に騒がれるようになった。


どうやら俺がイケメンだかららしい。


女子が俺をからかっているようにしか見えなく、かつ鬱陶しかったから
俺は女子に冷たい態度を取るようになった。
(そのクールな態度がかっこいい!とか言われたのは別のお話)


そして、女子に付きまとわれるようになったと同時に、必然的に恋雪と一緒にいられる時間が減った。


でもお隣さんだから、恋雪と会うときはあった。
その時はとっても楽しかった。


問題はここから。


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