あ〜あ、本当に知らねえからな。
その様子を見た女子が嫉妬して、恋雪は女子にいじめられるようになった。


上履きを隠されたり、落書きをされたり、中にはトイレに連れ込んで暴力とかもあったらしい。


俺はその悲惨な現実を知った時、とても悲しかった。


恋雪が俺と関わることで、俺は嬉しくても恋雪が辛い思いをしている。


俺と話している間、恋雪はいじめが悪化することを恐れていたはず。


それを考えずに話しかけていた俺が情けない。


そう思って恋雪と話す回数を減らした。


恋雪に話しかけられそうになったら避ける。
恋雪に話しかけられたら言い訳をして離れる。


小学6年生になる前にはこれが習慣になっていた。


でも辛かった。悲しかった。苦しかった。


恋雪と話せないのはもちろん、男子の人気が出始めたのもその頃で
嫉妬心でいっぱいだった。
おまけに恋雪が離れたことで、もっと女子が寄ってくるように。


俺は態度には出さなかったが、心の中は相当荒れていた。


「何で他の奴らのせいで恋雪と一緒にいられないんだ」
「近づきたいけど、恋雪の身のためにも近づいちゃいけない。」


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