あ〜あ、本当に知らねえからな。
よかったな、恋雪。
しばらくは一人でいさせてくれ、整理がついていないから―


ガタンッ


「あれ、……神楽くん? どうしてここにって、泣いてる?! 大丈夫?」


言われてみれば、頬が少し湿っている感じがする。


好きな子の目の前で失恋して泣いてるとか、ダサすぎだろ俺。


それよりも一人であたふたしている恋雪が可愛すぎなんだが。
今すぐ抱きしめてもおかしくない。


「あ、あぁ、大丈夫。」


「も〜本当に? 昔から神楽くんは一人で抱え込むんだから。
 何かあったらすぐ言ってね? 私で良ければ相談に乗るよ?」


ぷうっとむくれる恋雪がめちゃくちゃ可愛い。誰か俺のためにAEDを。


「相談に乗りたいんでしょ?」


恋雪の後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。


それと同時に恋雪は顔を赤らめた。何でだかは知らないが。


「ちょ、ちょっと、レンってば!」


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