あ〜あ、本当に知らねえからな。
レン……彼氏の名前か。


恋雪の発言が俺の心をえぐる。


「あはは、ごめん〜」


恋雪の後ろから現れたのは、幼なじみの宮野花恋(みやのかれん)


恋雪の双子の姉だった。


「何だ、花恋かぁ……」


はぁぁぁ、良かった。てっきり恋雪の彼氏かと。


確かに恋雪はいつも花恋のことを『レン』って呼んでいる。


勘違いしていた俺が情けなくなってくる。


「で? 何で凛生は泣いてんの?」


「え、あ、いや、これは、」


「はいはい、邪魔者は退散するわね。あとはお二人さんでごゆっくり〜」


直接言ったことはないが、少なくとも花恋は俺の気持ちに気がついている気がする。


だから俺が恋雪に告白できるようにしてくれたんだと思う。


ありがとう、花恋。


そう心の中で呟いた。


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