幸福を呼ぶ猫
急に降り出した雨から逃げるように走り帰ったあの日、僕は君と出逢った。

その日僕は、朝から夕方まで大学に行き、そのあとしっかり8時間働いて心身共に疲弊仕切っていった。そのため、直ぐにお風呂に入ってコンビニバイトで貰ってきた廃棄のお弁当を食べて寝ようと軽く計画を立てていた。

だけど、家の扉の前までたどり着くとその計画はあっさりと崩れ去った。
ボロアパートの1階の角部屋そこが僕の家。
その扉の前に雨で毛がぺったんこになった黒猫が座っていた。
「…えっと、どいて貰えるかな?」
周りに人なんて居ないのに、小さくそう問いかけた。
するとその黒猫は腰を上げ扉を開けれるくらいの間を空けて移動した。
「ありがとう…」
え、言葉通じた?たまたまかな…

鍵を開け部屋の中に入る。
あの黒猫行く場所無いのかな。
そう思うともう一度扉を開け、その黒猫を部屋に迎え入れていた。
< 1 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop