余命宣告された君と恋をした
「私、余命宣告されたの」
「……え?」
一ノ瀬の一言に僕はそれしか言えない。
余命宣告?
頭がまわらない。
なにも言わない僕に一ノ瀬は言葉を続ける。
「悲しかった。私、死ぬんだって。
でもね、はー君と最後までいられるならいいかなって思った。
だから、」
最後まで一緒にいてくれる?
涙を流しながら一ノ瀬はそう言う。
「当たり前だろ!それにずっと一緒にいるよ」
僕はそう言うと一ノ瀬は涙を流しながら笑った。
辛そうだった。
一ノ瀬のために何かしたい。
一ノ瀬のそばにいたい。
一ノ瀬が、……好きだ。
今更だった。
今この気持ちに気づくなんて。
一ノ瀬は首を傾げている。
「なんでもないよ」
これは秘密。
こんな僕に告白されるのは嫌だろうから。