a piece of cake〜君に恋をするのは何より簡単なこと〜
那津の心臓は早鐘のように打ち続けている。息も苦しくなる。頬も熱くなってきた。
ゆっくりと周吾に近寄り、那津の方から唇を重ねた。その瞬間、周吾の腕に頭と体を抱き寄せられたかと思うと、勢いに任せたままキスをされる。
そのままベッドに押し倒され、広げられた足の間に周吾が身を滑らせる。
唇が離れた頃には、二人とも息も絶え絶えになっていた。周吾はニヤッと笑うと、那津の唇を舌でなぞる。
「俺のスイッチを入れたのは那津さんだからね……もう止められないよ」
那津は返事の代わりに周吾の首に腕を回してキスをした。
貪るようなキスを繰り返しながら、那津は身も心も溶けていくのを感じる。
あっという間に服を脱がされ、体中に彼の舌が這っていくと、もう何も考えられなかった。
a piece of cake……これが恋かどうかはわからないけど、周吾くんのおかけであの人のことを吹っ切れるのは早そうだった。
「愛してるよ……那津さん……。今日は帰さないから」
キスをしながら、周吾が那津の中をゆっくりと、何度も貫いていく。那津は仰け反りながら、体が大きく震える。
果てても果てても、周吾は那津へ新たな快感を刻みつけていく。どうやってもその快楽の波に逆らうことは出来なかった。
やることをやってしまえば、明日の朝にはもうお別れかもしれない……。でも今は、彼が私を欲しくてたまらないという姿に酔っていたい。私の中で果てる彼を見ていたい……そしてそんな彼を私も求め続けたいから……。