『 最後から、始まる。 』～卒業～ きみと過ごす残り1ヶ月

「浅倉さん、具合大丈夫？
まだなんか顔色悪いね
気を付けて帰ってね」



部活が終わって

先生に声を掛けられた



「はい、大丈夫です
ありがとうございます」



先生は

大丈夫ですか？



「さようなら」



私

何も見てませんから



「さようなら」



友達と玄関に向かう途中

陸上部が練習してるのが見えた



杉山が

陸上部顧問の清水(しみず)先生と話してた



杉山、走るかな？



杉山が走るところ

見たいと思った



あんなに速く走れる杉山くんが羨ましくて



杉山

どんなふうに走るんだろう？



「歌笑、どーした？」



友達に呼ばれた



「ん、何でもない」



「そ～言えば、永島先生と清水先生
付き合ってるんだって」

「あー、聞いたことある～」

「まぁ、お似合いっちゃお似合いだよね」

「どっちが告ったんだろ…」

「大人でも告るのかな？」

「え、告らなかったらどーやって付き合うん？」

「大人の恋は、わからんね～」

「キスから始まる恋…なんちゃって」

「キスじゃないっしょ！カ、ラ、ダ♡」

「「「「「キャーーー♡♡♡」」」」」



杉山は

今日



昼休みの音楽室で

先生に

何したんだろう？