『 最後から、始まる。 』~卒業~ きみと過ごす残り1ヶ月

「私、昨日ね
バイト先の先輩に急に手握られたの」



昼休みの女子トーク


お、コイバナ?



「「「えー!」」」

「ソレって気があるんじゃない?」

「だよね、だよね♡」

「…で?その後は?」



「何もなかった」



「なんだ↓↓↓」

「でもそのうち告られるんじゃない?」

「だよね、だよね♡」

「また彼氏持ち率上がるね」



「それがさ
先輩って言っても
30過ぎてて結婚してるんだよね」



「えー!」

「はー?」

「不倫?」

「「「シー!」」」



「でも結構好きなタイプだから
ま、いいかな…って…」



「「「えーーー!!!」」」

「絶対ダメだって!」

「遊ばれるだけ」

「だよね、だよね」



「んー…やっぱりそーだよね…」



そーだよね…



やっぱり手握るとか

好意があるからで

何もない相手にはしないって



あの時

手を握ったのは

杉山からだった



先生って何歳だっけ?

30ぐらい?

かわいいけど
大学卒業して5年以上経ってるとか言ってた

年の差どーなの?



先生は結婚してないんだし

ま、いいか…



先生は

どーなんだろう?

杉山のこと





杉山の気持ちも

ハッキリわかんないし



あれからしばらく経つけど

ふたりのことを気にしてるのは私だけで

ふたりは至って普通にしてる



先生と生徒



そぉ

先生と生徒なんだから



「歌笑、どーする?
また彼氏持ち増えるって!」



「ね、みんないいね」



「ね…じゃないよ!
歌笑は彼氏欲しくないの?」



「どーかな…」



自分に彼氏ができるとか

想像できなかった



お姉ちゃん、妹

女きょうだいの中で育って

男子との免疫がぜんぜんない私



まず

男子と話す事が苦手かも



それ以前に

好きな人いないし


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