『 最後から、始まる。 』~卒業~ きみと過ごす残り1ヶ月
「好き」
その言葉はないまま
私と杉山の関係は続いた
教室では必要以上に話さない
昼休みの音楽室で
杉山を待つ
杉山はたまに来て
私に触れる
杉山は私のこと
先生の代わりとか思ってるかな?
杉山の耳には
きっと先生のピアノの音が
残ってる
思い出の音楽室
私は杉山が
言ってくれた言葉が
嬉しかったよ
朝倉、上手くなったね
先生の伴奏に似てきた
杉山が先生を忘れられないように
私もきっと忘れないよ
杉山が励ましてくれたこと
杉山
好きだよ
声にしたらダメな気持ち
伝わらないまま
私たちは
卒業式を迎えた