『 最後から、始まる。 』~卒業~ きみと過ごす残り1ヶ月
「オレ、もう少しこっちにいるから
なんかあったら連絡してよ」
なんかって
何もないよね?
私達
「杉山もなんかあったら連絡してよ」
「んー…そーだな…
特に、何もないか」
ほらね
もぉ私としたいとも思わないんだ
「今日はオレの買い物に付き合ってもらったし
浅倉、なんかないの?」
杉山
何を期待してる?
私から言わなきゃなの?
したいって…
そんなの
ダメだ
ずっとそんな関係でしかいれなくなる
そんなの
嫌だ
もぉ
終わろうか…
杉山
「んー…私は、特にない」
ありがとう
杉山
好きだったよ
杉山
私の初恋は
コレで
終わり
「そっか…じゃ…」
向こうでも
頑張ってね
杉山
「あ…この歌、知ってる?
最近好きなんだ」
SNSに流れてきた動画を
杉山に見せた
「あ、この人
路上ライブやってる人だろ」
「うん、そぉそぉ…
なんだ、杉山も知ってたんだ
私の好きな歌
杉山に、最後オススメしとくね」
「最後か…
じゃあ、一緒に聴きに行こうよ
ほら、明日路上ライブやるって…」
「え…でも、遠いし…」
「電車だと…1時間弱…」
杉山
調べてくれてる
「ホントに…行くの?」
「うん、行こうよ!
オレが行く大学よりぜんぜん近いじゃん」