世界が終わる日に、俺は君の手を握る。
長い髪で頭の上のあたりにカチューシャのような編み込みが見える。

左耳後ろにネイビーの髪飾りをつけていて、風に揺れて金色に輝く金具が時より重なって小さな音を奏でていた。


昔はこうじゃなかった。


夏稀は静かで

群れなくて

教室の隅で絵を描いているような少女だった。
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