追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
「なるほど。さすが星を観測するだけあって高いですね」

「ええ。ソラスは星見の塔の宮様が、星を読んで暦を作り、それを各国に売って莫大な利益を得ているのです。宮様の作った暦によって作物の種まきの時期を決めたりしますから、影響力は計り知れません」

「へえー、それは大したものですね」

 馬鹿みたいに感心していると、後ろにいたディオが言った。

「ララの方が凄いよ」

「どこがですか? 私の影響力なんて爪の先程もありませんけど」

「おいおい。自己評価が低すぎないか? あれほど神懸った創造を一瞬でやってのける人間はきっとこの世に君だけだぞ? 君がソラスで洗濯機をひとつ創造すると戦争が起きるくらいにはな」

「はあ? ちょっと意味が分からないのですが」

 ぽかんとしている私を見て、ディオは大きなため息をつき、ゼクスがくくっと笑う。
 洗濯機を創造して戦争が起きる……なにそれ、風が吹けば桶屋が儲かる的な? どちらにしろ、間接的すぎて理解が追い付かない。

「君の創造魔法を悪いことに使おうとするやつらが、君を狙って戦争を起こす。簡単に言うとそんなことさ」
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