追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
と言って籠を覗き込んで見たけど、さっぱりわからない。野菜の専門家じゃあるまいし、一目見てなんのタネや苗かなんてわかるわけがないのだ。ここは、店主に聞きながら、なにがいいかを考えよう。
「これは、なんのタネですか? たくさん残っているみたいですけど」
「ソラルムだよ。タネから育てるのは難しいから、みんな敬遠してね。余るんだよ」
「ソラルム? それってどんなものですか?」
「おっと、知らなかったのかい。えーと……あ、これ、これだよ、はい」
店主は何やらごそごそと屈むと、あるものを手渡してきた。
直径は約三センチ。コロンとした丸いフォルムに、情熱的な赤いボディ。それは、私がよく知っている美味しい野菜「トマト」。厳密に言うと「ミニトマト」だった。
この世界にトマト、いやソラルムがあるとは幸運である。水耕栽培に適しているミニトマトなら、グリーランドでも育ちそうだ。
「店主さん、これ、頂きます」
「いいよ。苗はすぐ売れちまうんだけど、タネはさっぱりでね。どうしようかと思っていたところさ。格安で譲るよ」
「ありがとうございます! あの、それから、葉物の苗はありますか?」
「これは、なんのタネですか? たくさん残っているみたいですけど」
「ソラルムだよ。タネから育てるのは難しいから、みんな敬遠してね。余るんだよ」
「ソラルム? それってどんなものですか?」
「おっと、知らなかったのかい。えーと……あ、これ、これだよ、はい」
店主は何やらごそごそと屈むと、あるものを手渡してきた。
直径は約三センチ。コロンとした丸いフォルムに、情熱的な赤いボディ。それは、私がよく知っている美味しい野菜「トマト」。厳密に言うと「ミニトマト」だった。
この世界にトマト、いやソラルムがあるとは幸運である。水耕栽培に適しているミニトマトなら、グリーランドでも育ちそうだ。
「店主さん、これ、頂きます」
「いいよ。苗はすぐ売れちまうんだけど、タネはさっぱりでね。どうしようかと思っていたところさ。格安で譲るよ」
「ありがとうございます! あの、それから、葉物の苗はありますか?」