追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
しかし、その言葉を心の中で繰り返してみると、恐ろしいことに気付いたのだ。
『聖女。発見』
魔物が私を見てそう言ったかと思うと、全身の血の気が引いた。
いや、そうとは限らないわ、無理やりそう思い込み、息を整えると、改めてみんなの無事を確認する。
居住区では、サーシャを抱いたマイアが安堵の涙を流し、ヘンルーダとグレイスもほっとした様子で座り込んでいる。さっきまで泣いていたサーシャは、アメちゃんの火炎砲に目を輝かせ、もう一回!とおねだりしていた。
それから、女性陣はヘンルーダを残してログハウスの中に避難した。守護獣もアクセサリーに戻る。危機は去ったかのように見えたけど、ディオやウーノは警戒を解いていない。
これからまだ、なにかが起こるのを、知っているかのように。
「まさかまさか、こんな山奥に集落があろうとは。宰相様から借りた変な斥候も案外使えるものだな」
鷹揚な声が森の中から聞こえてくると同時に、鎧を着込んだ大柄な男が姿を現した。その男の後ろには、五人の騎士も控えている。
「よく探し当てたものだ。だが、グリーランドに入るのを許した覚えはないぞ」
ディオが一歩前に出た。
『聖女。発見』
魔物が私を見てそう言ったかと思うと、全身の血の気が引いた。
いや、そうとは限らないわ、無理やりそう思い込み、息を整えると、改めてみんなの無事を確認する。
居住区では、サーシャを抱いたマイアが安堵の涙を流し、ヘンルーダとグレイスもほっとした様子で座り込んでいる。さっきまで泣いていたサーシャは、アメちゃんの火炎砲に目を輝かせ、もう一回!とおねだりしていた。
それから、女性陣はヘンルーダを残してログハウスの中に避難した。守護獣もアクセサリーに戻る。危機は去ったかのように見えたけど、ディオやウーノは警戒を解いていない。
これからまだ、なにかが起こるのを、知っているかのように。
「まさかまさか、こんな山奥に集落があろうとは。宰相様から借りた変な斥候も案外使えるものだな」
鷹揚な声が森の中から聞こえてくると同時に、鎧を着込んだ大柄な男が姿を現した。その男の後ろには、五人の騎士も控えている。
「よく探し当てたものだ。だが、グリーランドに入るのを許した覚えはないぞ」
ディオが一歩前に出た。