追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
「いや、見てはいない。しかし、妹の力が嘘であることは確認したぞ。目の前で創造魔法とやらを使わせてみたが、なにひとつ生み出せなかった。お前の勘とやらもたいしたことはないな」
アンセルはせせら笑った。ララ・レダー・カレリアスを聖女に認定したのは私だ。王宮に出入りしていた侍女の噂話で、とんでもない魔力を持った娘がいると知り、カレリアス邸に足を運んだのだった。
銀色の髪で青い瞳。不健康そうな青白い肌が印象的な娘であったと記憶している。虚ろな目をして、無気力であったが、私は一目で彼女の魔力に気が付いた。
匂い……そう、自分と同じ強大な魔力の匂いがしたのだ。
「そうでしょうか? まだ、私はララの力を信じていますけど」
姉ナタリアにも魔力を感じるが、ララほど強大ではない。しかし、魔力持ちが多いカレリアス家のこと、なにかの拍子に覚醒する可能性も否定出来ない。
「いやいや、父親も兄も証言している。ララには虚言癖があったとな。可哀想に思った親心で話を合わせてやったが、事が大きくなり過ぎて、慌てて謝罪したのだと」
「殿下と私を騙して、ただで済むと思っているのでしょうかね」
アンセルはせせら笑った。ララ・レダー・カレリアスを聖女に認定したのは私だ。王宮に出入りしていた侍女の噂話で、とんでもない魔力を持った娘がいると知り、カレリアス邸に足を運んだのだった。
銀色の髪で青い瞳。不健康そうな青白い肌が印象的な娘であったと記憶している。虚ろな目をして、無気力であったが、私は一目で彼女の魔力に気が付いた。
匂い……そう、自分と同じ強大な魔力の匂いがしたのだ。
「そうでしょうか? まだ、私はララの力を信じていますけど」
姉ナタリアにも魔力を感じるが、ララほど強大ではない。しかし、魔力持ちが多いカレリアス家のこと、なにかの拍子に覚醒する可能性も否定出来ない。
「いやいや、父親も兄も証言している。ララには虚言癖があったとな。可哀想に思った親心で話を合わせてやったが、事が大きくなり過ぎて、慌てて謝罪したのだと」
「殿下と私を騙して、ただで済むと思っているのでしょうかね」