追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
「永続ランプが消えただと?」

「永続ランプ……ああ、ララが……いやナタリアが創った消えないランプか」

 アンセルの言葉に私は頷いた。
 以前、始終灯る光源(ランプ)をララに創らせたことがあった。それまでは蝋燭を使っていたのだが、王宮の火事で王妃と王子が亡くなったことを根強く覚えている民は、安全なものが欲しいと常に要望を出し続けていたのだ。
 ララの創造したランプは、些か不格好なものであったが、性能は良く、火を付けなくともずっと周囲を照らす優れもの。火事の心配もない良品だったが、なぜ今消えたのだ?

「故障だろ。物は壊れるものだ」

 確かに。普通ならそうだ。だが、魔法で創造した物が劣化で壊れたりはしないはず。
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